引き継ぎをうまく進めるための必要条件
引き継ぎがうまくいかない
最近他の人に仕事を引き継ぐケースが増えています。 ただ、どうやっても仕事を引き継ぐのはうまくならないんですよね。
どうしてもドキュメントを作る時間が足りなかったりして、 あとでいろいろ質問されることが多いです。
昔はそもそもスキルが低かったので、 目の前の仕事をこなすのが精一杯で、ドキュメントまで手が回りませんでしたが、 最近は作りながらでもドキュメントを整備できるようになってきています。
複数人体制にしないといけない
今日引き継ぎのトラブルについてググってみたのですが、 ほとんどのサイトが「完璧に引き継げ」か「完璧になんて引き継げない」のどちらかです。
なんか違うなぁと思って思い出したのが毎度おなじみアクシアさんの記事。
そもそも複数人体制を取らないといけないのは薄々感じてたので、基本的には同感です。 ただ、自分なりの補足を。
1人では必要なドキュメントを残「せ」ない
以下の点には同感です。
1人体制なので他のチームメンバーと情報共有を行う必要が少なくともその時はないからです。
ただ、これだけでは弱いと思います。 自分の経験からすると、必要なドキュメントは残せないの方が正確です。
なぜなら、「必要なドキュメントが分からない」からです。 設計書やソースコード内のコメントは書きますし、書けます。 なぜかというと、未来の自分のために書く必要があるからです。
しかし、いくら未来の自分のために書いても、 それは「知識がある自分」を前提としています。 なので、他人から見ると、必要なドキュメントが足りないという自体になります。
そして、知らない他人に対するドキュメントを書くのは非常に難しいです。 なぜなら、相手に合わせないと、抜けがある雑なドキュメントか、 きっちり書かれているけど無駄が多いドキュメントか、どちらかになってしまいます。
だからこそ、引き継ぐためには、複数人体制でないといけません。 最低2人いれば、「もう一人が分かるドキュメント」を書けます。
引き継ぐ相手には相応のスキルが必要
引き継ぎで問題になるのがもう1つあります。 それは、引き継ぐ相手のスキルです。
「後は野となれ山となれ」で良ければいいのですが、 引き継いだあともサポートが必要なケースが多いです。
しかし、引き継ぐ相手のスキルが不十分だと、そもそも引き継げないケースがあります。 複数人体制にしても、スキルの差があると、以下のどれかのパターンになってしまいます。
- スキルに応じて作業を分担してしまう(引き継げない)
- スキルの低い側が高い側の仕事が分からない(形だけ引き継ぎ)
- スキルの高い側が低い側に合わせるしかない(生産性低下)
「複数人体制 + 教育」が必要条件
先ほどの3つのパターンを避けるためには、以下の2パターンしかありません。
- 同等のスキルを持つ人同士で複数人体制にする
- 複数人体制にして、教育でスキルアップさせる
1.はGoogleのような、非常に高いスキルを持つ組織では可能です。 しかしほとんどの組織では不可能です。 だから、2.が必要条件です。
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