国産クラウドやVPS、SaaSに提供して欲しいもの

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Xで色々話題になっていますが、個人的にさくらインターネットは応援しています。 他の会社でもいいので国産クラウドやVPS、SaaSに提供して欲しいものはこれというのを書いてみます。 ただ書いてみてて気づいたんですが、すでにさくらにはあるものもあるようです。

考え方

具体的に欲しいサービスよりも、まずこう考えて欲しいというのを挙げてみました。

  1. アーリーアダプター向けのサービスが欲しい
  2. 「お問い合わせ」ではなく自分で登録できるサービスであること
  3. 個人で払える料金体系であること
  4. イベント駆動サービスが作れること
  5. 利用シーンに合ったサービスが欲しい
  6. 原則として全てがAPIで操作できること

アーリーアダプター向けのサービスが欲しい

いろいろなサービスを見てて思うのが、大企業とか小規模なWeb制作会社しか目を向けていないなと感じています。 本来あるべきはこうだと思うんですよね。

  1. イノベーター、アーリーアダプターが自分で試す
  2. チームで試しに導入してみる
  3. 良さそうなら全社的に導入する

ただ多くの場合、1.ができません。まず個人で使ってみていいなというのがなければ広まりません。

「お問い合わせ」ではなく自分で登録できるサービスであること

まず自分で登録できることが重要です。これがないとむしろクラウドと名乗ってはいけないレベルです。

個人で払える料金体系であること

次に個人で払える料金体系であることです。 サービスの種類にもよりますが、個人で払いやすいのは1サービス1000円までです。もちろん無料枠があったら嬉しいですが。

ただ最低利用人数があると困ります。例えばkintoneは1ユーザ1000円ですが、 最低10ユーザなので、個人で使おうとすると月10000円かかります。この時点で選択肢から外れます。

あと可能なら従量課金にして欲しい。さくらのオブジェクトストレージですが、 計算してみるとAWSよりは安いように見えましたが、無料枠はなくて100GBまでは常に495円かかる。となると手が出しづらいです。

イベント駆動サービスが作れること

AWSの強みはEC2やS3ではなく、まずSQSを導入したことだと考えています。 それが何を意味するのかというと、スケーラブルなサービスにはメッセージキューは必須です。

例えば任天堂の場合、2016年当時はほぼEC2だけでやっていました。 DeNAがオンプレでの構築経験が豊富だっため任天堂が提携した事情もありますが、普通の会社はAWSでこれやっちゃダメです。

その後2020年のマリオカート ツアーだとマネージドサービスが使われています。

そして2023年のNintendo eShopだとSNS, SQS, Lambdaが使われています。

これは大規模な例ですが、中規模な場合でも非同期処理を行いたい場合は結構あります。 マネージドサービスはもちろん、メッセージキューやFaaSがないと厳しいです。

利用シーンに合ったサービスが欲しい

ライバルはAmazon, Google, Microsoftよりも、Cloudflare, Heroku, Render, Vercelなどだと思います。 逆に言えば、これらのプラットフォームが提供していない利用シーンに合ったものが欲しいです。

例えばRenderは日本リージョンがありません。 Herokuは無料枠もなくなり、日本だとPrivate Spacesでしか提供できません。 Vercelは結構高く、Cloudflareは使える技術が限られる。

国産クラウドがこれまで惨敗だったのは、利用シーンが意識できてなかったのかなと思います。 最近だとRailsがKamalを使ったデプロイになっていますが、 これを使ったデプロイが一番楽だとか、そういうのもありなんじゃないかなと。

原則として全てがAPIで操作できること

さすがにゼロからのサービス契約、サービス解約は別として、基本的に全てがAPIで操作できないと辛いです。 これはまあ言うまでもないと思います。

サービス化したセキュリティ

AWSなどのパブリッククラウドが選ばれる理由はセキュリティにあると思います。 具体的にはVPC(Virtual Private Cloud)で、転送量はかかりますが、あれ自体は無料です。

個人もですが、仕事ならもちろんセキュリティは超大事です。 そしてセキュリティで大事なのは許可された人だけアクセスできることです。 そう考えたときにこれまでのVPSなどではせいぜいIPアドレスでの制限しかありません。 プライベートだと最近は個人で Cloudflare Tunnel / Access も使っていますが、あんな感じのサービスが欲しいなと。

サーバスペックの方向性

これも前々から不満に思っていますが、ほとんどはXeonを採用していて、たまにAMDのEPYCがある程度。 何が嫌かと言うと、CPUやディスクが多すぎ、メモリが少なすぎです。 なので自分は最近自宅でサーバを構築しています。CPUはN100かARM(ラズパイ)です。 こういうサーバは結構需要ありそうなんですよね。消費電力も少ないし。

さくらのクラウド触ってみた

そういや触ってないなと気になるので触ってみました。 さくらのアカウント自体はありましたが、クラウド側は新規サインアップでした。

まず良いなと思ったのはシンプル監視。 かなり前からあるもののようですが、これくらいサクッと設定できるのでさっそく1つ。

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