2014年8月6日水曜日

地方の一出版社にネット企業が惨敗した件

先日、個人的にとても愉快な話がありました。

朝にZIP!を見ていたら、「ランチパスポート」という、見せれば500円でランチが食べられる本が紹介されていました。番組は東京の話として紹介してましたが、松山にも全く同じシステム、タイトルの本があるため、何で東京で話題になってるのか理解できませんでした。

この番組の後いろいろ調べてみたのですが、このランチパスポートは高知の出版社が発祥で、松山の出版社がシステム化して、それから全国展開を始めたようです。だから自分が「松山にもあるやん」と思うのはもっともな話なんですね。

ただ、自分はそもそもクーポン自体にあまりいい印象がないため、このビジネスをあまり評価していなく、そのため買ったことはありません。ただ、少なくともネット企業よりはビジネスがよく分かってるなとは評価します。以下は「クーポン」自体が良いものとして話を進めます。

なぜなら、少なくともグルーポンよりは遙かに良いビジネスだからです。グルーポンのおせち事件が起きたのが2010年末で、ランチパスポートが生まれたのが2011年4月です。ネット企業が「フラッシュマーケティング」という単語に踊らされていたのとほぼ同時期に、地方の一出版社が良いビジネスを作っていました。

そして、このランチパスポートは、グルーポンと比べると良さがハッキリします。

現在進行形で店とのトラブルが続いているグルーポンですが、その根本的な理由は、「割引の前売り」と「店からお金をもらうシステム」にあります。グルーポンはあらかじめ割引クーポンを買い、それを店に持って行って使います。その販売方法自体がトラブルの原因です。

グルーポンでよくあるトラブルが、「券を売りすぎて店が捌ききれない」というものです。1800人に券を売って有効期限が90日の場合、一日平均20人の客が増える計算です。しかし、多くの場合、有効期限切れになるころに殺到します。そうすると、店は大混乱に陥り、返金騒ぎになります。

勝手に券の枚数を増やすというトラブルもありました。なぜそういうことをするのかというと、売った券の枚数に応じてグルーポンに入るビジネスだからです。店としてはあまり多く券を売って欲しくないが、グルーポンとしてはとにかく多く券を売りたい、つまり、店とグルーポンの利害が相反しています。

一方でランチパスポートは、掲載料は無料です。その代わりに、本を売ることで収益を立てています。要はグルメガイドと同じです。そして、多くの店が掲載されているため、一つの店で捌ききれなくても、その店だけ一日の限定数を設定すれば「しょうがないね」で済まされます。本の形を取っていて、切り離す必要がないため、クーポンより使いやすいというメリットもあります(この点は特に良い)。

そして、グルーポンは一度売ったらそれっきりで、顧客との接点が持てませんが、ランチパスポートは期限が切れてもグルメガイドとして使えるメリットがあります。だから、トラブル続きのグルーポンと違い、目立ったトラブルもなく(ゼロではないようだけど)、全国に広まっています。

重要なことに、ランチパスポートというシステムにはほとんどITが関わっていません。本の製作システムにITを使用していて、だからこそ全国展開が出来たのですが、利用者も店もITの知識は不要です。つまり、ネット企業には絶対発想し得なかったビジネスです。

もっとも、ネット企業ならネット企業のやり方があり、ホットペッパー(元は紙でしたが)やぐるなびのように有用なサイトもあります(ちなみに食べログは有害サイトです)。ただ少なくとも、グルーポンというインチキを見抜けず全力で逆走し続けたネット企業、自称ベンチャー企業、メディアほど愚かなものはありません。

そして、ネット企業、自称ベンチャー企業、メディアは全く反省せず、今日もITならぬインチキ(INTIKI)ビジネスを追いかけています。巧遅は拙速に如かずと言いますが、ダメなものはいくら早くてもダメです。グルーポンすらインチキと見抜けなかった人たちに何が出来るというのでしょうか?

ちなみに、「地方の一出版社」と「ネット企業」を比較していますが、このビジネスが生まれたのが高知なだけで、原理上はネット企業以外なら思いつく可能性があります。東京の出版社が思いついてもおかしくありません。ただ、原理上あまり大きなビジネスにはならないため、大企業には難しいかもしれませんね( ・ิω・ิ)